
親御さまが老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅へ入居すると、それまで暮らしていた実家を今後どうするか考える必要があります。
しかし、親御さまが自宅へ戻る可能性がある、家財や仏壇が残っている、ご本人や家族の気持ちが整理できていないなどの理由から、すぐには売却せず、そのまま残しておくご家庭もあります。
実家を残すこと自体に問題はありませんが、誰も住まない期間が続く場合は、管理する人や費用の負担、定期的な確認方法を決めておく必要があります。
この記事では、親御さまの施設入居後も実家をすぐに売らずに残す場合に、家族で決めておきたいことと、無理なく管理を続ける方法をご紹介します。
施設入居後も実家を残す理由は家庭によって異なります
施設へ入居したからといって、すぐに実家を売却しなければならないわけではありません。実家をしばらく残しておく理由には、次のようなものがあります。
- 親御さまが将来自宅へ戻る可能性がある
- 本人の希望をまだ十分に確認できていない
- 家財や思い出の品、仏壇などが残っている
- 売却や賃貸について家族の意見がまとまっていない
- 相続や名義などについて確認している途中
- 気持ちの整理がつくまで時間を置きたい
大切なのは、急いで処分を決めることではなく、実家を残している間に管理されない状態をつくらないことです。今後の方針が決まるまでの期間も、建物の状態を確認できる体制を整えておきましょう。
実家を残す間に家族で決めておきたい5つのこと
実家をすぐに売らない場合でも、何も決めずにそのままにしておくと、管理や費用の負担が特定の家族へ偏りやすくなります。結論を急ぐ必要はありませんが、実家を残す間のルールは家族で共有しておきましょう。
1.今後の方針を見直す時期を決める
現時点で売却や賃貸を決められなくても、半年後や1年後など、改めて家族で話し合う時期を決めておくことはできます。
その際に、親御さまの状況や希望、建物の状態、維持にかかる費用などを確認し、引き続き残すのか、活用や売却を検討するのかを話し合います。
「いつまでに処分する」と決めるのではなく、次に検討する時期を決めておくことで、実家のことが何年も先送りになるのを防ぎやすくなります。
2.管理を担当する人と役割を決める
実家の管理を家族で行う場合は、中心となる担当者を決めておきましょう。ただし、鍵を持って定期的に訪問する人だけに、すべてを任せる必要はありません。
例えば、次のように役割を分ける方法があります。
- 実家を訪問して建物の状態を確認する人
- 郵便物や契約書類を管理する人
- 電気・水道・保険などの支払いを確認する人
- 修理や業者への連絡を担当する人
- 担当者が動けないときに代わりに対応する人
誰が何を担当するのかを家族で共有しておくと、一人に負担が集中することや、必要な対応が抜けてしまうことを防ぎやすくなります。
3.実家の維持費を誰が負担するか決める
誰も住んでいなくても、実家を保有している間はさまざまな費用がかかります。
主な費用には、次のようなものがあります。
- 固定資産税
- 火災保険などの保険料
- 継続する電気・水道などの料金
- 実家を訪問するための交通費
- 庭木の手入れや清掃費用
- 建物や設備の修理費用
- 空き家管理サービスの利用料
支払いを一人の家族が立て替え続けると、後から負担を巡って認識の違いが生じることがあります。誰がどの費用を負担するのか、立替金をどのように精算するのかを、あらかじめ家族で共有しておきましょう。
4.実家をどのような状態で残すか決める
同じように実家を残す場合でも、親御さまが一時帰宅する可能性があるのか、家財を保管するためなのか、将来の売却まで維持するのかによって、必要な管理は異なります。
一時帰宅する可能性がある場合は、生活できる状態を保つため、電気・水道や家電、寝具などをどこまで残すか考えます。将来的な売却を想定している場合は、家財を少しずつ整理し、室内や敷地の状態を記録しておくと準備を進めやすくなります。
親御さまの了承を得ないまま家財を処分すると、家族間のトラブルにつながることもあります。何を残し、何を整理するのかを家族で確認してから進めましょう。
5.異常が見つかったときの連絡先と判断する人を決める
定期的な確認で雨漏りや窓の破損、漏水、害虫・害獣の痕跡、庭木の越境などが見つかった場合、誰が対応を判断するのかを決めておきましょう。
あわせて、家族の連絡先や保険会社、修理業者などの情報をまとめておくと、急な問題が起きたときにも対応しやすくなります。
空き家管理サービスを利用する場合も、異常発見時に最初に連絡する人、写真報告だけでよい範囲、見積もりを依頼する条件などを事前に共有しておくと安心です。緊急時に連絡がつかない場合に備えて、第二連絡先も決めておきましょう。
実家を残す間に考えられる3つの管理方法
実家の管理方法は、距離や家族の状況、必要な確認範囲によって異なります。主な方法は次の3つです。
1.家族が定期的に訪問する
実家の近くに家族が住んでいる場合は、交代で訪問しながら管理できます。家財の整理や親御さまの希望を確認しながら進めやすい点もメリットです。
一方で、訪問する人の移動時間や交通費がかかり、仕事や家庭の事情によって予定どおりに通えないこともあります。家族で管理する場合は、訪問する頻度、確認する場所、写真の共有方法を決めておくことが大切です。
2.近隣の親族や信頼できる人に協力してもらう
実家の近くに親族や信頼できる人がいる場合は、郵便物や建物外観の確認などをお願いする方法もあります。異常があったときに早く連絡を受けられる点は安心材料になります。
ただし、室内の換気や通水、清掃まで継続的にお願いすると、相手の負担が大きくなることがあります。「ときどき見てほしい」という曖昧な頼み方ではなく、確認してもらう範囲や頻度を明確にしておきましょう。
鍵を預ける場合は、使用する条件や返却方法も事前に決めておく必要があります。交通費や作業に必要な費用が発生した場合の負担についても、あわせて共有しておくと安心です。
3.空き家管理サービスへ依頼する
家族が遠方に住んでいる場合や、決まった頻度で訪問するのが難しい場合は、空き家管理サービスへ依頼する方法があります。
契約内容に応じて、建物外観や室内の確認、通風、通水、郵便物の確認、簡易清掃などを任せられます。写真付きの報告を受けられるサービスであれば、現地へ行けない家族も実家の状態を確認できます。
利用料金はかかりますが、家族の時間的・距離的な負担を減らし、一定の内容で継続的に確認してもらえる点がメリットです。依頼前には、基本料金に含まれる作業、追加料金、鍵の管理方法、異常発見時の対応範囲を確認しましょう。
詳しいサービス内容:https://primosolare.jp/akiya-fuzaitaku-kanri/
実家の状況に合わせて必要な準備を確認しましょう
実家を残す方針が決まったら、鍵、郵便物、ライフライン、室内、庭などの状態も確認します。具体的な準備については、現在の状況に合わせて次の記事をご覧ください。
これから施設へ入居し、家が長期不在になる場合
長期不在の家を管理する方法|出発前の8つの確認項目https://primosolare.jp/choki-fuzai-ie-kanri-8points/
すでに実家が空き家になっている場合
実家が空き家になったら最初にすること|8つの確認項目https://primosolare.jp/vacant-house-first-steps/
売却を決めていなくても空き家管理は相談できます
空き家管理サービスは、実家を売却すると決めた方だけが利用するものではありません。今後の方針が決まるまでの間や、親御さまが自宅へ戻る可能性を残しておきたい場合にも利用できます。
施設への入居前に相談しておくと、現在の建物の状態や管理してほしい範囲、鍵の受け渡し方法などを事前に整理できます。すでに誰も住んでいない場合でも、現地の状況を確認したうえで管理方法を検討できます。
Primo Solareは、売却や賃貸を目的とした営業を行わず、実家を適切に維持・管理する立場からサポートします。今後の方針が決まっていない段階でもご相談いただけます。
巡回時に修繕や専門的な対応が必要な箇所が見つかった場合は、まず状況をご報告します。そのうえで、お客様のご希望に応じて、対応可能な専門業者をご紹介することも可能です。
なお、作業内容や地域によってはご紹介できない場合があります。修繕や専門作業にかかる費用は別途お見積もりとなります。
まとめ|実家をすぐに売らない場合は管理方法を決めておきましょう
親御さまの施設入居後も、実家をすぐに売却せず、しばらく残しておくことはできます。
その場合は、今後の方針を見直す時期、家族の役割分担、維持費の負担、実家を残す状態、異常時の連絡方法をあらかじめ共有しておきましょう。
管理方法には、家族が訪問する方法、近隣の親族などへ協力をお願いする方法、空き家管理サービスを利用する方法があります。大切なのは、家庭の状況に合った方法を選び、無理なく継続できる体制を整えることです。
家族だけでの管理が難しい場合は、実家の今後が決まっていない段階でも、空き家管理サービスへ相談することができます。
施設入居後の実家管理でお困りの方へ
Primo Solareでは、1級空き家管理士が、施設入居や長期入院などによって誰も住まなくなったご実家を定期的に確認します。
「家族が遠方に住んでいる」「仕事があり定期的に通えない」「売却するかまだ決まっていない」といった場合も、現在の状況を伺いながら必要な管理内容をご案内します。
墨田区・江東区・台東区・荒川区・葛飾区・江戸川区を中心に対応しています。その他の地域についても、まずはお気軽にご相談ください。